年度内(2025年3月中)納品、ご相談ください
メガローバーS40A-LBは、ヴイストン株式会社製の研究開発用台車ロボットシリーズの中核モデルである「メガローバーVer.3.0」の派生モデルです。
従来比で容量が約5倍となるバッテリーを搭載したほか、2個の駆動輪を車体の前後中央に搭載することで、車体の中心を軸としたその場旋回が可能となりました。
大容量バッテリーによる安定した稼働性能と、多くの機器を搭載した場合でも安定・確実な旋回が可能な機体構造とを両立させた本製品は、実用化を見据えた本格的な実証実験や、長時間の運用が必要とされる研究・開発用途などに適しています。
駆動輪を車体の中央に配置し、超信地旋回が可能
メガローバーS40A-LBでは、2個の駆動輪を車体の前後方向に対して中央に配置しています。
この構造により、車体の中心を軸としたその場回転を行うことが可能となっています(通常モデルである「メガローバーVer.3.0」では駆動輪の搭載位置が前後方向の中心ではないため、その場で回転する際の軸は車体の中心ではありません)。
これにより、多数の機器を搭載するなど、ロボットの機体全体が大型になる場合に、より安定した運用が見込めます。
また、メガローバーVer.3.0と同様、駆動輪は通常の車輪であるため、安定・静粛な動作が可能です。
大容量のLi-Feバッテリーを搭載し、稼動時間を拡大
メガローバーS40A-LBには、1440Wh(24V 60Ah)のLi-Feバッテリーを搭載しました。
基本モデルであるメガローバーVer.3.0の288Whに対して、バッテリー容量が約5倍に拡大されました。
弊社内条件における実測値においては、メガローバーVer.3.0の稼動時間が約42時間であるところ、本製品においては約155時間となり、約3.7倍の稼動時間が実現されました(実際の稼動時間については、搭載機器や動作プログラム、使用状況などにより大きく変動します。あくまで参考値とお考えください)。
研究開発用台車ロボットにおいては、様々な測定機器のほか、画像処理・情報処理のための演算装置などが搭載されることも多く、要求される処理の高度化に従って、機材も大型化する傾向があります。メガローバーS40A-LBにおいては、多くの拡張機器を搭載する用途においても、さらなる長時間稼働を実現することができます。
有線 / 無線接続による制御が可能
メガローバーS40A-LBは、Wi-Fiによる無線通信と有線のUSBシリアル通信に対応しています。
指定のコマンドを用いることで、PCやタブレットなど、様々なデバイスから制御することが可能です。
また、ロボット用無線コントローラー「VS-C3」が標準で付属するため、PC等を接続しなくても本体を無線操縦することができます。
アナログスティックを使用して、前後へ移動、回転させることもでき、動作確認のための手動操縦、非常時の操作手段等として使用可能です。
Arduino IDEでプログラム可能
本製品に搭載されている制御ボード「VS-WRC058」には、ESP32-WROOM-32マイコンが搭載されており、Arduino IDEを用いて制御プログラムを作成することができます。サンプルコードはArduinoライブラリーの形で製品に付属し提供されますので、ユーザー自身の手でファームウェアのカスタマイズを実施することも可能です。
※VS-WRC058をArduino IDEを用いてプログラミングする場合、Arduino IDE 1.8.19以上が動作する環境が必要です。
拡張しやすいアルミフレームを採用
本製品の本体フレームはアルミ部材にて構成されています。十分な強度を持つと同時に加工が容易なので、ユーザー自身の手で、様々な拡張を容易に行うことができます。上部天板に取り付け穴を開けて部品を追加することも可能で、研究・開発の推進に欠かせない自由な拡張性をもたらします。
非常停止スイッチを標準搭載
本製品には「非常停止スイッチ」を標準搭載しています。また、非常停止スイッチの取り付け位置は、配線の長さや他機器との緩衝の問題がない限りは自由に変更可能です。実運用の状況や、追加する拡張機器の搭載状況などに応じ、ユーザー側で付け替えて使用することを想定しています。
ROS(ROS 1、ROS 2)による制御に対応
メガローバーS40A-LBはROS 1およびROS 2メッセージ通信に対応しており、ROSが動作するデバイスとWi-FiまたはUSBケーブルで接続することで、rosserialもしくはmicro-ROSを用いたROSのメッセージ通信が可能です。
サンプルファームウェアでは、geometry_msgs/Twist型もしくはgeometry_msgs/msg/Twist型を使って、ROSからメカナムローバーに対して移動速度指令値を送信したり、メカナムローバーから現在速度やバッテリー電圧を取得したりすることが可能です。また、ユーザーの手によってファームウェアを変更することで、上記の他にも任意のメッセージを送受信することが可能です。
なお、ROSを動作させるデバイスは別途ご用意いただく必要があります。弊社で推奨するデバイスの動作環境は次の通りです(本製品に含まれないライブラリーなどのセットアップが追加で必要になる場合があります)。
【ROS 2使用時の推奨動作環境】
OS | Ubuntu 22.04(64bit) |
ROS | ROS 2 Humble |
CPU | Intel® Core™ Ultra 5 125H Processor |
RAM | 32GB |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
グラフィック | Intel® Arc™ GPU |
※ROS PCオプションを使用しない場合、ROSの環境はユーザーにて構築いただく必要があります。
※上記条件を満たしていても、相性などにより、正常に動作しない場合があります。
※仮想環境は、タイムラグにより安全な制御が行えない場合があり、推奨しておりません。
多彩なオプション品に対応
メカナムローバーG40A-LBは、数多くのオプション品に対応しています。用途に合わせてセンサーや構成部品を追加することが可能で、多様な研究・開発分野にて、大容量バッテリーの利点を活用しつつ、大型の研究開発用台車ロボットの能力を存分に活用することができます。
拡張機器搭載例
LRFオプションTG30(前、後)、ROS PC(NUC14)オプション、拡張機器用電源基板オプション VS-WRC054、デプスカメラオプション を搭載
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構成図
外形寸法図
参考資料:ヴイストン株式会社製 研究開発用台車ロボット 命名規則
ヴイストン株式会社では、多様化する研究開発用台車ロボットシリーズを分かりやすく表現するため、以下の命名規則を策定し、新たに発売する製品から採用しています(発売済みの製品には適用していません)。
なお、今後の製品拡充の中で、この命名規則は変更・拡大される可能性があります。
製品特徴を表すアルファベットについて、「メガローバー」では通常「F」を採用していますが、本製品メガローバーS40A-LBは車輪構造が従来のメガローバーとは異なる派生版であるため、「S」としています。
製品仕様
サイズ | W437×L362×H270 (mm) ※サスペンションの状態により、車両高さは変動します |
本体重量 | 約23.5kg |
最高速度(実測値) | 1.6m/s |
積載重量 | 約40kg |
本体材質 | アルミニウム |
バッテリー | 24V 60Ah (1440Wh) Li-Feバッテリー |
駆動方式 | 2輪駆動、キャスター×4(いずれもサスペンション搭載) |
ホイール直径 | 140mm |
モーター | BLDCモーター 40W×2 |
制御基板 | VS-WRC058 |
ROS対応 | ROS 1およびROS 2に対応 |
SDK | メガローバーS40A-LB用 Arduinoライブラリー、ROSパッケージ |
収録サンプル |
Arduinoライブラリ
ROS 1用サンプルコード
- ゲームパッドからの操作
- マウス(タッチパッド)からの操作
- SLAM(gmapping)
- navigation
ROS 2用サンプルコード
- ローバーとの通信
- オドメトリの取得
- マウス(タッチパッド)からの操作
※本製品に含まれないライブラリなどのセットアップが追加で必要になる場合があります。
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インターフェース | USBシリアル、Wi-Fi(IEEE802.11b/11g/11n) |
付属品 | 充電器、ロボット用無線コントローラー「VS-C3」 |
注文時オプション | レーザレンジファインダー
バンパーオプション(前後、全周囲)
拡張機器用電源基板 VS-WRC054
Raspberry Pi 4B
ROS PC
カメラステー
デプスカメラ
リモート制御
パンチルト装置
台車用ロボットアーム AMIR 740
リフトオプション
@mobi対応ハードウェアセット
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※製品仕様その他は、予告なく変更する場合がございます。
※また、製品の仕様は予告なく変更となる場合があります
購入時オプション一覧
ご注文時にご依頼いただく事で、様々なオプションを取り付けた状態で発送いたします。
固定スペースと取り付けの仕様上、オプション品の組み合わせによっては通常とは異なる位置にオプション品を取り付ける場合がございます。
事前に取り付け位置の確認をしたい場合は、お問い合わせください。
- LRFオプション(TG30)
機体周囲の障害物等を検知するLRFを取り付ける、本体注文時の有償オプションです。
旧来のLRFオプションと比較し、測距距離と走査範囲を大きく拡大しつつ、低価格化を実現しました。
機体の前部、もしくは後部、あるいは両方に取り付けが可能です。
- バンパーオプション
壁等との衝突を検知できるバンパーセンサーをロボットの前後もしくは全周囲に取り付ける、本体注文時の有償オプションです。
- 拡張機器用電源基板オプション VS-WRC054
Raspberry Pi 4BやROS PCオプションなどの拡張機器を搭載した際に本体のバッテリーから電源を供給する、本体注文時の有償オプションです。
Raspberry Pi 4Bオプション搭載時およびROS PCオプション搭載時には必須となります。
- Raspberry Pi 4B オプション
Raspberry Pi 4B 4GB版を取り付けて出荷する、本体注文時の有償オプションです。
拡張機器用電源基板オプション VS-WRC054が別途必要です。SDカードおよびOSイメージは付属しません。
- ROS PC(NUC14) オプション
台車ロボットにROSで制御するための環境構築済みPCを取り付ける、本体注文時の有償オプションです。
拡張機器用電源基板オプション VS-WRC054が別途必要です。
- カメラステーオプション
別売のデプスカメラなどを固定できるカメラステーを取り付ける、本体注文時の有償オプションです。
天板から265mmまでの任意の高さにカメラを固定でき、固定角度も調整可能です。理想的なカメラ位置・角度で運用が可能です。
- デプスカメラオプション
台車ロボットに深度情報を含んだフルカラーRGB画像が取得できるステレオカメラ(RGB-Dカメラ)を搭載する、本体注文時の有償オプションです。
「カメラステーオプション」に含まれるカメラステーも本オプションに含まれます。
- リモート制御オプション(PCなし)
台車ロボットに搭載するPC内でZoom社のWebミーティングを実行しつつ、遠隔地から台車ロボットの操縦を可能とする、本体注文時の有償オプションです。
本オプションにおいてはPC本体は別売となるほか、付属するドキュメントに従って専用サーバーなどの準備が別途必要となります。
- リモート制御オプション(PCあり)
台車ロボットに搭載したPC内でZoom社のWebミーティングを実行しつつ、遠隔地から台車ロボットの操縦を可能とする、本体注文時の有償オプションです。
本オプションにおいてはPC本体も含まれますが、付属するドキュメントに従って専用サーバーなどの準備が別途必要となります。
- パンチルト装置オプション(カメラなし)
台車ロボットの天板に搭載可能なステーと、パン・チルトそれぞれに可動軸を持つカメラ台とを追加するオプションです。
- パンチルト装置オプション(カメラ付き)
台車ロボットの天板に搭載可能なステーと、パン・チルトそれぞれに可動軸を持つカメラ台とを追加するオプションです。
対応するデプスカメラが付属します(ROS PCオプションなど、デプスカメラを接続するためのROSデバイスが別途必要です)。
- 台車用ロボットアーム AMIR(アミル) 740
台車ロボットへの搭載に適したROS対応のロボットアームです。
アーム単体での可搬重量2kgを実現しており、台車ロボット単体では難しい、対象物を掴む・持ち上げる・移動させるといった、複雑で多彩な用途に応用が可能です(ROSで制御する場合、ROS PCオプションなどのROSデバイスが別途必要です)。
- 台車用リフトオプション
台車ロボットの天板に取り付けが可能な昇降機構です。単体での可搬重量は約40kgで、物体や棚の持ち上げのほか、持ち上げたままでの運搬や、牽引による移動などが可能です。
- 台車ロボット用 @mobi対応ハードウェアセット
パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社が開発する高度な自律移動ロボット向けソフトウェアパッケージ「@mobi(アトモビ)」に対応した、台車ロボット用のハードウェアセットです。
@mobiのソフトウェアパッケージも別途ご購入が必要です(弊社より別途ご案内いたします)。
各種ダウンロード
【実用事例】
名城大学理工学部 田崎研究室
研究テーマ:安価なセンサーによる自動運転向け地図生成
田崎研究室では、車載可能な安価なセンサーで地図生成を行う研究を行っています。
自動運転車は地図を利用しないとスムーズな動きはできませんが、地図の生成コストはとても高いという問題があります。
安価なセンサーでの地図生成機能の簡易テストとして、研究成果を自動運転用ソフトウェアAutowareに組込み、
Autowareからメガローバーを制御しました。
名城大学理工学部電気電子工学科
システム・情報通信研究室 田崎研究室
NSW株式会社 「GEBOTSフレームワーク」
NSW株式会社の独自ソリューションである、汎用ロボットシステム開発フレームワーク「GEBOTSフレームワーク」を、メガローバーVer2.1などに組込むことで自動走行化を実現することが可能となります。
汎用ロボットシステム開発フレームワーク 「GEBOTSフレームワーク」は、自動走行装置を開発するための汎用的なソフトウエアフレームワークです。
基本となる自動走行に各種拡張パッケージを利用することで、お客様の「省力・省人化」「無人化」「IoT化」を支援します。
またNSW独自のWEBプラットフォーム(NSW-MaaS プラットフォーム)との連携により各ロボットの動態管理、遠隔操作の拡張等も可能です。
お客様の自動走行装置のサービス活用に向けた最適なフレームワークをご提供いたします。
※GEBOTSフレームワーク(GEneral roBOT System Development Framework)
GEBOTS公式ページはこちら
カスタマイズのご案内
研究開発用台車ロボットは、標準機では仕様を満たさない、別途機器を搭載して研究をしたいといった企業様向けに、ご要望に合わせたハードウェアのカスタマイスが可能です。カスタマイズにおける費用、納期については要件ごとに異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら
※なお、お客様独自のシステムに関する開発・サポートは行っておりません。
- カスタマイズ事例
- A社:稼働時間を長くするためにバッテリーを増設
- B社:積載重量300㎏用にハードウェアの設計
- C社:別途機器を搭載するための取り付け穴を天板に追加工
- D社:別途機器を搭載するのためのやぐらの設計、取り付け
- E社:オプション品のLRFではなくユーザーが指定するLRFを取り付け
- F社:より強力なモーターへの変更
拡張用部材の搭載例(追加工無し)
よくあるご質問(FAQ)
- 製品のCADデータ・その他部品のCADデータは提供してもらえますか?
- 研究開発用台車ロボットシリーズにつきましては、製品本体、部品等のCADデータは提供しておりません。ご購入後にPDF形式の三面図データは提供可能です。
- 取扱説明書等はどのように入手できますか?
- 専用ページよりダウンロードいただけます。専用ページの情報は本体に同梱の案内用紙に記載されております。
- 屋外での使用はできますか?
- 研究開発用台車ロボットシリーズは屋内での使用を想定した機器となっております。そのため、防塵性能や防水性能は有しておりません。 また、屋外での使用についてはサポート対象外となります。
- 制御ソフトウエアのサポートは対応可能ですか?
- お客様独自の作業を要する事項についてはサポート対象外となります。
- 本製品を購入後、追加オプションの付加を行うことは可能でしょうか?
- 取付作業を弊社で実施する場合は、製品発送の送料及び取り付け費用を別途ご負担いただくことで対応可能です。オプションの内容により取り付け費用は異なりますので、まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
【交換方法の解説動画はこちら】
- 天板への追加工やホイールベースの変更等は可能でしょうか?
- 内容によっては特注としてお受けできます。カスタマイズ事例をご確認の上、お問い合わせフォームよりご相談ください。
- Raspberry Pi設定に関するドキュメントはありませんか?
- Raspberry Piのセットアップに関する部分につきましてはサポート対象外とさせていただいております。Raspbianを使用される場合は、公式ドキュメントご参照ください。ROSberryPi
- 実機を見ることはできますか?
- ヴイストン株式会社の大阪本社にはデモ機がございますので、法人様に限りデモを行うことは可能です。
ご希望の方は事前にお問い合わせフォームよりご相談ください。
※現状、新型コロナウイルス感染症の影響によりWEB通話対応にて実施しております。
ヴイストン、Vstone、Robot Shop(ロボットショップ)は、ヴイストン株式会社の登録商標です。
@mobiは、パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社の登録商標です。
Arduinoは、Arduino AGの登録商標です。
Intel、Intel Core、Intel Arcは、Intel Corporation またはその子会社の登録商標または商標です。
UbuntuはCanonical Ltd.の商標または登録商標です。
ZoomはZoom Video Communications, Inc.のサービスであり、ZoomロゴはZoom Video Communications, Inc.の登録商標です。
Bluetooth®は、Bluetooth SIG, Inc. USAの登録商標または商標です。
Raspberry PiはRaspberry Pi財団の登録商標または商標です。
ROSは、Open Source Robotics Foundation, Inc.によるオープンソースのプロジェクトです。
Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
その他、記載されている製品名などの固有名詞は、一般に各社の登録商標または商標です。