ビュートEV(Beauto EV)は、実車の約1/10スケールで、車両制御学習や電気自動車、カーロボティクス研究に適したロボットカーキットです。
ビュートEVには、主に下記の3つの特長が備わっています。
現在、通信を用いた安全運転支援システムの検討、複数のセンサを用いたカーロボティクスに関する研究が盛んに行われています。また、エコロジーの観点から電気自動車「EV」への注目も集まっています。こうしたシステムが有効に機能するかどうかを確認するため、これまで様々な実証実験が行われていますが、実車を利用した、テストコース・実際の道路においての実験では費用がかかってしまいます。
本製品では、1/10スケールの小型電気自動車に、豊富なセンサを搭載したロボットカーとしての要素を導入しました。低価格な小型車両を用いることで、EVとしての車両制御の学習から、複数台走行時の実験・シュミレーションまで、さまざまな用途に簡単に導入できます。
また、本製品は日本工業大学ものづくり環境学科のコンセプトをもとに、弊社で開発を行いました。日本工業大学ものづくり環境学科に納入させていただいた「ビュートEV」は、交通流の円滑性向上、環境負荷軽減のための自動車制御システムの開発や、運転支援システムの評価など、自動車社会のニーズに則した教育研究に、今後ご活用いただく予定となっています。
本製品には、メインCPUとして小型WindowsノートPC、サブCPUとしてビュートシリーズと同じ学習用マイコンボードを、それぞれ搭載しています。車両制御のように制御が単純で反応速度を要求される処理はマイコンボードより制御し、画像処理などのより高度な処理はPC上で処理を行う、という具合に二系統に処理を分散することで、プログラム開発を理解しやすくすることが出来ます。
また、ビュートシリーズの豊富なセンサ拡張性も引き継ぎ、標準搭載のセンサ以外にもさまざまなセンサを搭載することが可能です。
搭載マイコンボードは2種類から選択できます。入門・学習用途には、初学者にも利用しやすい環境や豊富な資料などが整っているH8 マイコン搭載モデル、高度な実験・研究用途には、高い処理能力が必要な場合は、処理がより高速なARMマイコン搭載モデル、と用途に合わせた選択が可能です。
本製品には小型のWindowsノートPCを搭載しています。ノートPCには各種インターフェースが搭載されていますので、前方カメラ以外に、全周囲を撮影可能な全方位センサや、スキャナ式レーザレンジセンサなど様々なセンサの搭載、内蔵ストレージに走行状態のログの保存や、走行中の前方映像の保存などが可能です。さらには無線LANを利用し、高度道路交通システム(ITS)などネットワークを利用した走行システムの研究にも応用できます。マイコンボード用の基本的な車両制御用ファームウェアのサンプルも付属していますので、組み込みプログラミングが苦手な方でも、PCのみで車両制御プログラミングが可能です。
また、RTミドルウェア向けライブラリ及びサンプルソースも付属しており、RTミドルウェアを利用したロボットシステムに容易に組み込むことができます。
「ビュートEV」は、販売価格はPC搭載モデル 380,000円、PCレスモデル330,000円(いずれも税抜)で受注生産品、完成済みでの販売になります。弊社Webショップおよびヴイストンロボットセンター(福岡ロボスクエア店・東京秋葉原店)でご注文を承っております。