AIの進化は、ビジネスの世界にも大きな影響を与えています。その中でも、OpenAIが開発した人工知能(AI)であるChatGPTの利用が注目されています。しかし、その利用率には日本と米国で大きな差が見られます。今回は、MM総研が実施した「日米企業におけるChatGPT利用動向調査」の結果を基に、その詳細を見ていきましょう。

日米のChatGPT利用率に大きな差

MM総研の調査によると、ビジネスにおけるChatGPTの利用率は、日本では7%とまだ大きくは広がっておらず、新しいテクノロジーなどを積極採用する初期採用層が利用している状態です。一方、米国では利用率が51%と、日本を大きく上回っています。これは、米国ではChatGPTがすでに実用的なツールとなっており、多くの企業で利用されているからです。

利用率の高い属性

日本でChatGPTの利用率が高い属性を見ると、従業員の多い大手企業、経営者・管理職、そして人事部が挙げられます。業種ではエネルギー・水といったインフラ系、学術研究、情報通信が平均値よりも2~3ポイント高い結果となりました。

利用目的と用途

ChatGPTを利用する目的は日米ともに「既存業務の効率化」が大半を占めています。具体的な用途を見ると、日本では文章生成、要約、校正・構造化、情報検索が利用率の高い順となりました。これらは、業種や部門に寄らない、事務作業を効率化する用途が目立っています。

課題と今後の展望

ChatGPTの利用を維持・拡大するための課題として、日米ともに「回答の精度」が約半数を占めています。これは、満足度や利用継続意向は高いものの、より高精度な回答を求めていることを示しています。

今後は、より広いハブを構築し、業界や業務ごとにより良いプロンプトや活用事例を整理する必要が出てくるでしょう。また、日本企業のChatGPTに対する関心も高まっており、ITベンダーはコンサルから利活用までの一括支援、既存製品や他の生成AIも含めたソリューション化(マルチモーダル対応含む)、国産の大規模言語モデル(LLM)開発着手などの動きを強めています。

政府も「AI戦略会議」での取りまとめやG7と共同で議論する「広島AIプロセス」でルール整備を進め、「新しい資本主義」の中では開発と利用を後押しするとしています。これらの動きが、ChatGPTの利用率押し上げ、業務・業界に特化したソリューションやLLMの構築に期待が持てる大きな要因となるとまとめられていました。

まとめ

ChatGPTの利用は、ビジネスの世界で大きな影響を与えています。しかし、その利用率には日本と米国で大きな差があり、日本ではまだまだ広がりを見せていません。これからの課題であり、今後の展開に注目していきたいです。

◆MM総研「日米企業におけるChatGPT利用動向調査」
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=580